「コントラスト」あらすじ・感想

■書籍情報

著者itz
書名コントラスト
レーベルCanna Comics
出版社プランタン出版
出版年月日2021/10/15

■あらすじ

いつでも人の輪の中心にいる人気者だけど

どこか冷めたところがあるイケメンの

青山翔太と、特進クラスに在籍する

成績優秀で一匹狼な千川陽。

クラスも名前も知らないけど、

顔だけは互いに知っている。

そんな対照的な同級生が、ある日、

屋上へと続く人気のない階段で出会った。

その日から屋上は二人だけの秘密の場所にーー。

沈黙さえ居心地がいい

穏やかな時間を共有するうちに、

どちらからともなく惹かれ合っていくが、

陽には後ろめたいことがあって……?

裏表紙より

■カップリング

攻?:人の輪の中心にいる人気者の元サッカー少年・青山 翔太

受?:秘密を抱えた特進クラスの優等生・千川 陽

■感想

ランクA
人なら誰しも、触れてほしくない過去や、
どうやって昇華したら良いのかわからない思い、
心のバランスを取るためにしてしまう秘密の出来事、
そんなものが一つや二つ、もしかしたらそれ以上にあるものと思います。

本作「コントラスト」は、学校での立ち位置はそれこそ
明暗がはっきりとするような正反対に見える二人が、
冒頭にあげたような名状しがたい感情を心に宿しながら、
近付いて触れ合っていくお話、と解釈しています。

翔太も陽、どちらも悔やまれる過去を持っていて、
翔太は過去と向き合うべきだとわかっていながらも
そう思うことを無意識にストレスに感じていて、
そこから逃げるように平和に無難に生きる道を選び、
陽は過去に受けた傷の痛みを和らげて
心のバランスを取るために、人には言えないことに没頭し始める。
同じではないけれど、どこか似ている二人。
だからこそ、惹かれ合うものがあったのかなと思います。

くっつきそうになっては離れ、離れてはまた近付いて、
という焦らしプレイにモダモダしつつ、
二人が結ばれた瞬間は本当に感無量という言葉が相応しいくらい、
ああ良かったなぁと思えました。
最終話のモノローグが表紙にも繋がる感じがして、すごく好きです。

てか瑞希ちゃん、2年→3年になって、どうした…!?
というくらい変わって驚いた。
1年の間で、何があったのか…
翔太と陽を、親友としてあたたかく見守ってほしい…

そして描き下ろし。
過去に陽を傷つけた「彼」が語り手となるお話。
彼もまた、感想冒頭の思いを引きずる一人でした。
こ、こ、この野郎がーーーーーー!!!!と
思いましたが、彼は彼で陽を傷つけた事実を
一生背負っていくことを決めているようでしたし、
陽に許されることを望んではいなかったので、
その点は、ふぅん…と思えました。
翔太に一発ぶん殴られてほしい。
 

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