「世界でいちばん遠い恋 1」あらすじ・感想

■書籍情報

著者麻生ミツ晃
書名世界でいちばん遠い恋 1
レーベルGUSH COMICS
出版社海王社
出版年月日2021/08/20

■あらすじ

音を知らない五十鈴と音を奏でる十嘉、

偶然出会った二人は、互いに

”無いもの”を楽しむかのように距離を縮めていく。

五十鈴に惹かれている自分に気づいた十嘉は、

臆することなく真っすぐに感情をぶつけるが、

そんな十嘉に五十鈴は戸惑うばかりで…?

裏表紙より

■カップリング

孤高のバイオリニスト × 難聴のデイトレーダー

単行本帯より

攻:壬生 十嘉

受:五十鈴 歩

■感想

ランクS
すごい…またも最高の一冊に出会ってしまいました。

「ありがとう」と「ごめんなさい」の形は似てる。
一番遠く正反対のものがどうしてか 似る不思議。

作中のこのモノローグが、この物語の核であるように思います。

重度難聴の五十鈴と、彼には聞こえない音を操る十嘉。
聞こえない五十鈴と、良くも悪くも周囲の評価が騒がしい十嘉。
表情が豊かな五十鈴と、表情が変わらない十嘉。
自分の足だけで立ち続けたい五十鈴と、彼を支えたい十嘉。

正反対のふたり。だけど、
自分の世界でだけ完結するという点で、似ているふたり。

僕の持っている数少ない語彙では表せないのが悔しいのですが、
この二人が出会って、心を通わせるところがすごく良いです…!

印象に残ったのは、バイオリンの英才教育を受けずに独学で
バイオリンを身に着けた十嘉が、バイオリンが上手くなりたいと認め、
それを五十鈴にぶちまけて、彼に受け止められたことで
五十鈴への思いが形になったシーン。
それと、五十鈴の声が聞きたいとごねる十嘉によって、
五十鈴がバランスを崩して床に頭を打ち付けそうになるも
十嘉のとっさの行動で助けられた際の五十鈴の表情。
そのほかにも、感嘆のため息をついてしまうポイントが多くて…!!
五十鈴と十嘉、それぞれのバックボーンが丁寧に描かれているからこそ、
二人の気持ちが分かって嬉しかったり切なかったりしちゃうんですね…

1巻は、これまでなるべく誰にも頼らないように
出来る限り一人で頑張ってきた五十鈴が、
頼っても良いと思える人物として十嘉を選びそうになっている、
というところで終わってしまいます。
あーーーー続きが…気になる…!!!

最後に表紙…
おんなじ色合いの服装だけど、
五十鈴は襟付きのシャツ、十嘉はTシャツ。
五十鈴は穴の開いていないジーンズ、十嘉はダメージジーンズ、
という具合に、ここでも「違うけど、似てる」を表現されててもう…
あと、十嘉の口がとんがっているので、「五十鈴」と呼んでいるんですね。
場所はおそらく玄関口。(五十鈴が、「友達候補」に自室の侵入を許すライン)
えー、これ、2巻になったらベッドルームでおんなじことしますか!?
その点でも続きがものすごい楽しみ…!!!

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