「獣王陛下と砂かぶりの花嫁」あらすじ・感想

■書籍情報

著者小石川あお
書名獣王陛下と砂かぶりの花嫁
レーベルRUTILE COLLECTION
出版社幻冬舎コミックス
出版年月日2021/05/24

■あらすじ

奴隷商人に殺されそうになったところを、雪豹の獣王陛下に助けられた”砂かぶり”。

一族の皆とは毛色が違うため居場所がなかった砂かぶりを、王様は「運命の番」だと言い、

きれいな服を贈り、ふかふかのベッドで寝させ、食べ残しではない美味しいご飯をくれる。

さらに、王様は砂かぶりに「紅藍」という素敵な名前まで付けてくれた。

嬉しくて王様の役に立ちたいと思う紅藍。

でも、紅蘭は「番」がどんなものかよくわからなくて…。

裏表紙より

■カップリング

攻:天の国から降りてきた神獣の末裔である雪豹の姿をした獣人・王様

受:「灰かぶり」と呼ばれ、一族の中で唯一毛色が異なるきつね・紅蘭

■感想

ランクS
最高最高最高最高。
今週の一等賞は間違いなくこれ!です!

作中で度々「おとぎばなし」と出てきますが、
まさにその表現がぴったりのお話です。
やさしくあたたかな言葉で彩られるモノローグ、
モノクロであってもその色鮮やかな光景が分かる描き込み、
豊かな国を印象付ける美しい世界…
どれもとても印象的で、本当に大好きな世界観です。
各話の扉絵も素晴らしいです。
お話の核として「色」を使っているのもとっても素敵で、
物語を読んでいる…!て感じがするんですよね~

受がまたやさしくて健気で本当に泣かせます…
一族のはみ出し者として描写されていて、
そのせいで自己評価はとても低くなっているものの、
けっして捻くれたりせず、心根がとても美しい男の子として表されています。
可愛くて控えめで、でも芯は強いきつねちゃん…
もーーーー作品を読んでいる間中ずっと、幸せになってくれ~~~!!と
心中で叫び続けていました。

攻もまた可愛いんですよね~…
大事にしたいのに度々やり方を間違えてしまう不器用さ、
紅藍へ向ける深い愛情と強い想い、
何より…ねこちゃん…!!!
王様を生み出してくれてありがとうございます小石川さん…!!!
というくらい、猫科の習性をあらわす描写が素敵です。

好きなシーンばかりなので、どこも舐めるようにぜひ見てもらいたいのですが、
一番は二人の出会いである過去のシーン。
裏切られ心身ともに深く傷ついた王様が、
こぎつねによってその心を癒され、そして愛を知るきっかけになった
あのくだりが本当に大好き…!!!
紅蘭が王様に向かって、幼いけれども切実な夢を
幸せそうに語るところは、涙なしには読めませんでした。

間違いなく僕の大切な一冊になりました。

小石川さんの作品は、近刊の「食べないの?おおかみさん。」も
ぜひぜひぜひ読んでいただきたいです。
 

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